テレフォン人生相談


テレフォン人生相談2019年7月26日(金)
パーソナリティ:加藤諦三
回答者:坂井眞(弁護士)
72歳女性から、両親の遺産相続についての相談。商売をしていた両親、同居の兄夫婦が継ぐ。20年ほど前、父が他界し、兄から特に説明もなく相続放棄(おそらく遺産分割協議書)に署名、捺印をする。その時は何も思わなかったが、2年前に母が他界、遺産について話があると思っていたが、未だに何も言って来ない。父の時の話も含めて、どうなっているか知りたい。
加藤諦三氏の〆の言葉『感情は別の状況で違った感情になります。』

目次

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5分で読める今日のまとめ

相談者は72歳女性、ご主人は75歳、子供3人、20年ほど前に父が他界し、2年前に母が他界、兄75歳、姉78歳、妹69歳の4人兄弟。

わたしの両親の遺産相続について、お伺いしたいと思いまして。

父親、20年ぐらい前に他界、兄弟四人、同居の兄夫婦、亡くなった後、離れて住んでいる兄弟に直接会うことなく、電話で、お父さんの名義の、住んでいる所と、もう一つの土地の名義を変えたいと連絡があった。

当時、自分の事で忙しく、兄が相続するとは思っていたが、土地家屋、現預金にしても、大したこと持ってないということだけで終わってしまい、印鑑だけ押してくれということで、そのまま放棄した形になっていると思う。

言われた書類にみんな、印鑑を押した。

母親が亡くなり2年ほどしか経ってない。
その時、兄の方から、今までの家全体の、母親の遺産の事も含めてあるのではないかと思っていたが、なんの話もなく終わった感じになっている。

今、この年齢になって、いろいろ整理をしていくときに、その時の放棄、わたし達にとって、少し不満な点がある。
兄のやっていたこと、合意の元での話し合いが、きちんとなされてなかったということについて、今になって不満、どうだったのか知りたいと思うようになった。

ー合意がなかった?どういう意味?あなたはハンコを押したけれども、わからないで押したんだから、これは意味がないということ?

兄弟で集まって、財産はこれこれ、これこれあるんだということで、きちんと開示してくれて、その上での話し合いがなかった。

ー書類の上では、ハンコを押したけれども、みんなが集まって、話し合ってこうしましょうねと、決まったことではないので、あなたの立場からすると、合意のないまま遺産の相続が行われていたと。

ー母親の場合には、ハンコを押したということもない。

ーあなたの今日の相談、父親と母親の分を含めて、あなたの言う意味での合意がしたい・・そういことですか?




坂井眞アドバイス

ー兄弟四人の年齢、構成を教えてください。

相談者:両親と同居していた兄夫婦、長男75歳、長女78歳、自分72歳、妹69歳。兄弟は健在。

ーお父さんとお母さんの相続、約20年前と2年ぐらい前。
どちらの相続についても、今になって不満がある。
違いは、お父さんの相続の時、集まって話はしてないが、同居する兄夫婦が継ぐと思って、そのような前提で電話があり、名義を変えたいということで、サインをしてハンコを押した記憶はあると。
その書類は放棄?

相談者:兄と話して(電話)、記憶にあるのは、その土地を自分名義にしておかないと、いろいろ不都合があると。
商売をする上で・・ということは、わたしもわかっていたので、兄の都合のよいようにやっていいという思いでいた。

土地家屋に対しても、「大したことない」「大したことない」と、具体的な話は一切なかった。

ー「大したことない」と言われたが、その時はそれでいいと思い、送ってきたものにサインをして、ハンコを押して送り返したのが20年前。

ーお母さんの時、約2年前、亡くなったが、サイン、ハンコはしていない。
あなたとしては、家全体の話、お母さん、お父さんを通じての話があるんじゃないかと思ったけれどもなにもなかった・・というのが、今回の不満の始まり?

相談者:あともう一点、両親が亡くなる前からずっと、築いたお店がある。自分達が子供の頃から、お店を始めるので苦労したところ。今、兄夫婦が住んでいる所。

お店については、自分達も関わってきて、手伝わされてということもあり、現在に至っている。
それが、両親が亡くなった後も、それを基盤として、お店もいい状態で続いている。

相続となった時、営業権じゃないが、そういったものは、わたし達は一切、主張できないのか?

ーおっしゃっている意味はわかる。
家族みんなで支えて来て作ったお店、それをお兄さんが受け継いでいて、お父さん、兄弟が支えた分があるのに、お兄さんだけそれを受け継いでいい思いをしている・・というのはおかしくないか?

ーそういう気もちがあるのはある意味当然、しかしそれを言うなら、20年前のお父さんが亡くなった時の相続の時に、お兄さんが店を受け継いでいるのに、法定相続分通り、分けると、お兄さんが困ることになる。
両親が、そこで一緒に住んでいたのであれば、外に出た兄弟よりも面倒を看ていた分がるので、プラス(店を継ぐ)だけでなく負担も(両親の面倒)ある、そこも計算して、それにしても得する部分があるんだから、もうちょっと考えてよ・・という話を、お父さんの相続の時に、本当はやらなければならない。

ー20年前にそれをせずに、騙されたわけでもなく、「俺が継ぐから、俺の名義にしておいてくれ」と言って、その当時は「わかったよ」と、20年前なら立派な大人、そこで了承してサインをしているので、今になって、「あれを全部、兄貴夫婦が持っていくのは変じゃないか?」と言ってみても、法律的にはその件については通らない。

ーあなたの立場なら、「特別受益」という制度がある。
お兄さんは、「生計の資本」という、独立して何かを構えたり、例えば分家する時に建ててもらったり、ということが昔ならあった。
そうでなくても、親の作った物でこんなに利益を受けてきた、外に出れば何十年も家賃払わなければいけなかったけど、そこで生活してるじゃないか、すると向こうは、親の面倒も看ている、そんなプラスばかりじゃない、という先ほどの話が出てくる。

ーそのような話をそこでしなければいけなかった。
あなたの言っているのは、「特別受益」の問題なんだろうと思うけれど、それは一度、相続放棄をしたり、家庭裁判所に放棄の手続をしてないのなら、全部、お兄さんにあげるという遺産分割協議書を作った可能性が高い。
お兄さんが、全部受け継ぐことに皆がサインして、20年経ってから、あれはやり過ぎじゃない?と言っても、通らない話。

相談者:それは止むを得ないと思っている。

ーあの時、もうちょっと考えればよかったと言っても、今さらちょっと、言っても詮無いね・・っていう話。

ー問題は2年前に母親が亡くなった。
その時、お母さんの相続財産があるのだったら、今度はちゃんと分けようよ・・という話になってもいいはず。
お父さんとの相続とは別に、お母さんの相続、遺産分割協議をしなくちゃいけないという話。と
ころがなにもないから、ますますおかしいな?と思ってるという相談。

ーお母さんの遺産、なにかあるのか?

相談者:現預金は、あまりない。
お兄さんの所にいて、生活はお兄さんがみていた。

ーお父さんが亡くなった時、土地建物はお父さん名義だった。
お母さんの法定相続分が、半分あったはずだけど、遺産分割協議で、お母さんも何もいらないとサインしてる可能性がある。
すると、お母さんが亡くなった時に持っていた財産は、きっと不動産はなくて、日常的な現金程度と身の回りの品ぐらいで、残さした遺産、資産は分けるほどなかったのかもしれない。
そこは、お兄さんに確認してもらってもいいと思う。

ー20年前の相続の時、お母さんの法定相続分、半分はどうなったのか?
すると、全部、俺の物になったと言われ、今ごろ、そういうことを言ってもしょうがないとなるかもしれない。

もしかしたら、お母さんの名義、二分の一が不動産として残っていれば、分ける物として、不動産もあるはず。
その辺りのことを調べないと、何もなければ、今さら、何もしてくれないのはおかしいと言ったところで、お兄さんからしてみれば、お母さんの財産がないんだから・・遺産分割協議なんかする意味がないんだよ・・という話かもしれない。

相談者:そういうことの可能性が高いですね。

ーいずれにしろ、想像で話している事なので、どうなったのか書類を見せてよと、実際、どういう書類だったかわかっただけでも気持ちがスッキリする。

ー今、疑心暗鬼だったりすると思うので、まず、お父さんの相続はどういう処理をしたのか、その時、お母さんは何も受け継いでないのか?受け継いだのか?
受け継いだとしたら、今回、ちゃんと処理しなきゃいけない。
2年間、放置しておいちゃマズイ。

ー何も受け継いでなければ、今回のお母さんの相続でやきもきしても、もともと分ける物がないのだから、しょうがない・・という話になる。




加藤諦三まとめ

ーあなた自身の状況が変わったから。

相談者:そうだと思う、その通りだと思う。

ー将来、これから先の老後の生活、どうなるんだろう?
という不安になったということですね?

ー自分の気持ちが状況に従って変わった。
ということをしっかり理解すると、坂井先生のおっしゃる通りです・・となりませんか?

ー状況に従って、あなたの気持ちが変わった。
その点を、あなたはしっかり理解する必要がある。
この事が、あなたが納得できる原点じゃないか?

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