テレフォン人生相談 2020年3月6日(金)
パーソナリティ:今井通子
回答者:三石由起子(作家・翻訳家)
40歳女性から、幼少時から高校まで母親から虐待、暴力や暴言を受けていた。6年前に関係を断ち縁を切る。一人っ子なので母に介護が必要になった時、面倒を看なければいけないが、そうするとやり返してしまう。闇に飲み込まれ優しくなれない自分、どのような心構えでいればいいか教えて欲しい。
目次
自分を虐待した母親との付き合い方
相談者は40歳女性、独身で派遣社員。母は63歳、母の浮気で離婚した父は17年前に他界している。兄弟姉妹はいない一人っ子。
今井通子:もしもし・・テレフォン人生相談です。
相談者:こんにちは、よろしくお願いします。
今井通子:はい。
今井通子:今日は・・どういったご相談ですか?
相談者:はい・・えっと・・わたしの。
今井通子:はい。
相談者:母親の。
今井通子:はい。
相談者:えっと、老後・・のことについて相談したいんですけども。
今井通子:ああ・・はい。
相談者:はい、わたしは、40歳、で・・
今井通子:はい。
相談者:独身です。
今井通子:はい。
相談者:でぇ母は・・60・・3?
今井通子:はい。
相談者:で・・
相談者:この母には・・えっとわたしが小さい時から。
相談者:酷い虐待を受けまして。
今井通子:はい。
相談者:でぇ、わたしが、成長するにつれ、中・・小、中、高と成長するにつれどんどんこう・・エスカレートしてったんですね。
今井通子:あらぁ・・
相談者:虐待が。
今井通子:はい。
相談者:それでぇ。
・・
相談者:えっと今から・・
相談者:6年前に。
今井通子:はい。
相談者:縁を・・わたしの方から切りまして。
今井通子:はい。
相談者:もう・・6年間。
相談者:連絡も。
相談者:ないし。
今井通子:はい。
相談者:こっちからも向こうからもないし。
今井通子:はい。
相談者:お互い何処で何をしてるかも。
相談者:わからない状態なんですね。
今井通子:なるほど。
相談者:でぇ、えっと・・
・・
相談者:今回相談したいのは。
今井通子:はい。
相談者:この母親という人間はですね。
相談者:大きいことから言いますと。
相談者:関節的にですが。
相談者:二人、人を殺してるんですね。
今井通子:うん。
相談者:でぇ。
相談者:この先・・その・・老いてって。
相談者:誰かが面倒看なきゃいけない場合に、自分一人っ子なのでぇ。
今井通子:はい。
相談者:いや、わたしは父はもういなくて。
今井通子:お父さま、亡くなっちゃったの?
相談者:はい、10・・7年前に亡くなりました。
今井通子:17年前?
相談者:はぁい。
今井通子:はい。
相談者:でぇ。
相談者:まぁ・・面倒看なきゃいけない?
相談者:でぇ、それを、わたしが・・「嫌だよ」って言ったら・・最悪、刑務所に入ったりとか(笑)・・じゃなのもある・・から・・
今井通子:うん。
相談者:わたし・・が、看なきゃいけないのかな?一応そうなった時に、わたしの・・
相談者:あのぅ・・心構え的なあのぅ・・やられたことをやり返してしまいそうで、下手したら殺してしまうかもしれないっていう・・のが、不安で。
今井通子:うん・・
相談者:ま、今から心配してもしょうがないんですけど、うーーん・・心構えを・・
相談者:う・・
相談者:ま、プロの方に。
今井通子:うん。
相談者:教えていただけたらなぁと思って、本日は相談しました。
・・
今井通子:なるほどねぇ。
・・
今井通子:もっとお父さまは亡くなっちゃったみたいなんだけど。
相談者:はい。
今井通子:その・・お母さまの・・子供の頃の・・虐待って、言葉?それとも暴力?
相談者:両方です。
今井通子:あっ、両方?
相談者:はぁい、わたし・・が・・
今井通子:いわゆるDV?
相談者:よ・・
相談者:あ、そうです、四歳とか五歳ぐらいの時に・・
今井通子:うん。
相談者:目隠しをされてぇ。
今井通子:うん。
相談者:下着一枚にされて。
今井通子:うん。
相談者:でぇ、針で刺されたんですね。
今井通子:どこを?
相談者:お尻を。
今井通子:ああ・・
相談者:でぇ、下着に血がついたんです。
今井通子:はい。
相談者:でぇ。
相談者:「着替えなさい」と言われてぇ。
今井通子:はい。
相談者:下着を着替えたんですね。
今井通子:はい。
相談者:血の付いた下着を。
今井通子:はい。
相談者:そしたら・・
相談者:な、大人になってわかったんですけど、証拠隠滅だったんですよね、そん時は父は、生きてましたから。
今井通子:はい。
相談者:スゥ・・あのぅ・・わたしが中学生まで、父・・と一緒に暮らしてたんですね。
今井通子:はい。
相談者:でぇ、わたしが中学生の時に離婚をしたので。
今井通子:あっ・・お父さま、離婚されちゃったのね。
相談者:あっ、そうです。
今井通子:はい。
相談者:その後に亡くなったんですけど。
今井通子:あ、なるほど。
相談者:はぁい。
・・
相談者:それでぇ・・わたしがしょうが・・
今井通子:これお父さまが・・
相談者:はい、はい。
今井通子:離婚しちゃった理由はわかる?
相談者:母が浮気したからです(冷めた声)。
今井通子:おお・・
・・
・・
今井通子:なるほど。
・・
相談者:でぇ、えっと小学生の時は、父がいたのでぇ。
今井通子:ええ。
相談者:母は、父に隠れてわたしに、そういう、あのぅ・・
今井通子:う、うーん・・
相談者:ことを・・していてぇ、あとは、中学生の時は・・
相談者:孫の手?
今井通子:うん。
相談者:でぇ、あのぅ・・何度も叩かれたり。
今井通子:うん・・
相談者:あのぅ・・
今井通子:で、叩かれた場所は?
・・
相談者:お尻ですね。
今井通子:あっ、お尻、はい。
相談者:子供の時はお尻でした。
今井通子:うん。
相談者:それでぇ。
相談者:あとは・・蚊取り線香で焼かれたり、「お灸をすえる」って言葉あるじゃないですか。
今井通子:はい。
相談者:あれをホントにされたんですね、火傷(やけど)しました。
今井通子:うん・・
相談者:っていうことがあって。
相談者:でぇ、中学生に、わたしが中学生になったらぁ。
相談者:やっぱりわたしは母親方・・の方に行ったんですね。
今井通子:はい。
相談者:でぇ、母子家庭だったんですけど、母は、男の家に入り浸って、ほとんど家に居なかったんですね。
今井通子:なああ・・
相談者:それでも・・そのぅ、わたしに・・殴る蹴る、例えば、頭の髪掴んで、振り回したりとか。
今井通子:うん、うん。
相談者:顔、殴ったりとか。
相談者:でぇ、その男との・・そういった、あの、夜の行為をわたしに聞かせてきたりとか。
今井通子:うん・・
相談者:ふぅ・・
・・
相談者:でぇ、わたしが・・
相談者:高校生になった時に、母親は再婚したんですね。
今井通子:はい。
今井通子:そのぅ・・お母さま、兄弟は?
相談者:弟が二人います。
今井通子:ふん、ふん、ふん。
・・
今井通子:でぇ、あなたにとっては叔父さんですよね?
相談者:そうですはい。
今井通子:そのぅ・・いわゆる親戚付き合いみたいなのはあった?・
・・
・・
相談者:ありま・・したけど・・
・・
・・
相談者:あの・・
・・
相談者:さっき、間接的に二人殺したって、お伝えしたじゃないですか。
今井通子:はい。
相談者:その内の一人は。
相談者:あのぅ・・母の、父親なんですね。
今井通子:はい。
相談者:でぇ、そのことがあって。
・・
・・
相談者:叔父・・は・・
今井通子:この間接的っていう意味は。
相談者:はい。
今井通子:おじいさんは。
相談者:はい。
今井通子:自殺かなんか?
相談者:いえ・・
・・
相談者:普通に老衰なんですけど。
今井通子:うん。
・・
相談者:おじいさんが病院で、入院してて、まぁ、だいぶ危篤状態で、もうすぐダメかもねぇ・・みたいな時に。
今井通子:はい。
相談者:母親が、お見舞いに行ったんですね。
今井通子:はい。
相談者:でぇ、その時に・・そのぅ・・わたしのおじいちゃんですね。
今井通子:はい。
相談者:おじいちゃんが・・あのぅ、母親と、二人きりで「あんときは楽しかったなぁ、あんときのお酒は上手かったなぁ」みたいなことを思い出話に・・
相談者:したんだそうです。
今井通子:はい。
相談者:そん時に・・「ほうら、お酒だよ、飲みな」ってお酒を飲ませたんですよね。
今井通子:うん。
・・
・・
相談者:うん、まっ・・それが直接の原因ではない・・んですけど、でもだいぶ、ダメージですよね。
・・
今井通子:うーーん・・そこはちょっとよくわからないけど。
相談者:もう、ホントに・・あのぅ・・
今井通子:す、そのすぐ後で亡くなっちゃったの?
相談者:ええ、ええ、もちろんです。
相談者:もうだって、危篤状態で、いつ逝ってもおかしくないっていう状態だ・・った・・
今井通子:うん。
相談者:人間に・・
今井通子:うん。
相談者:お酒を・・飲ますだなんて。
相談者:っていうのがあって、わたしの叔父は、カンカン・・なんですよ、もう、縁を切りたいと思ってる・・と思います。
今井通子:うーーん・・あっ!
・・
・・
今井通子:そっかぁ。
・・
今井通子:でぇ・・結局そのぅ・・6年前に。
相談者:はい。
今井通子:え、要するに「縁を切った」って言われたのは。
相談者:はい。
今井通子:プライベートの間で縁を切っただけでぇ。
相談者:ああ、そうです。
今井通子:うん。
相談者:はい。
今井通子:戸籍抜きましたみたいな話じゃないんだね?
相談者:戸籍を抜いたところでぇ、その・・面倒を看る、老後の介護の面倒を看るとか、そういうのとはまた別なんですよね?
・・
今井通子:まぁでも・・お互いに、どこにいる・・どこに居るかはわかってるのかもしれないけど、何してるか・・
相談者:はい。
今井通子:わかんないんでしょう、今?
相談者:はい、はい。
今井通子:どこに居るかはわかってんの?
相談者:なんとなくは、はい。
相談者:そ、そう遠くはないみたいなんですけど。
今井通子:うん・・
今井通子:でぇ、お母さまも今はそうするとお一人?
相談者:はい・・ああ、わかんないですそれも。
今井通子:ふふふ・・ですよねぇ。
相談者:(笑)はい。
今井通子:うん・・
相談者:っと、思いますがわからないです。
今井通子:じゃああのぅ・・おじいさんはあの、分かったんですけど、おばあさんはどうなさったの?
相談者:かなり前に、わたしが・・
相談者:10歳の頃に、病気で亡くなりました。
今井通子:あら、お母さんの方の?
相談者:あ、はい、はいそうです、そうです。
今井通子:はい。
今井通子:じゃあ、お父さまの方の・・
今井通子:お父さん、お母さん・・ってどうなったの?
相談者:えっと、もう、亡くなってます。
今井通子:あ、亡くなってるのねぇ。
相談者:はい。
・・
今井通子:スゥ・・そうか・・そうすると、あなたとしては・・
今井通子:まあ・・
今井通子:まだ40だからねぇ。
相談者:はい。
今井通子:自分の心配はまだしてないのかもしれないけど(笑)。
相談者:あはは・・ははっ、はい。
今井通子:お母さまの心配もあるかもしれないけど・・
今井通子:あなた自身も・・老後は天涯孤独になっちゃうのかなぁ?
・・
相談者:うん・・わたしは幸せです。
相談者:うふふ・・
今井通子:ふふふふ・・
今井通子:なるほど。
相談者:そう思いたい・・けど。
今井通子:うん。
相談者:自分の相談とも迷ったんですが。
今井通子:うん。
相談者:まあ・・
相談者:そんなに気にしてない・・
今井通子:あなたは幸せでぇ。
相談者:はい。
今井通子:今はなに?
今井通子:お仕事は、会社勤めとか、それとも、自営とか?
相談者:派遣・・派遣です。
今井通子:あっ、派遣の仕事されてるのね。
相談者:はい、はい。
今井通子:はい。
・・
今井通子:わかりました。
相談者:はい。
今井通子:そうすると・・今日のご質問をまとめて言ってみて下さい。
相談者:え・・っと・・
相談者:わたしを酷い目に遭わせた母親・・に対して、母親が万が一動けなくなった時に、母親に、介護を・・
相談者:しなきゃいけないときに、わたしの心構え。
相談者:というとこでしょうか。
今井通子:心構えね?
相談者:はい、わたし自身もそのぅ・・闇に飲み込まれると言いますか・・
今井通子:はぁい。
相談者:そうしたくないけど、とてもじゃないけど、優しくなんて・・
相談者:考えられない・・
相談者:です。
今井通子:なるほどね。
相談者:はい。
今井通子:今日はですねぇ。
相談者:はい。
今井通子:三石メソード主宰で・・
相談者:ああ・・はい。
今井通子:作家で翻訳家の三石由起子先生がいらしてますので・・
相談者:はい。
今井通子:伺ってみたいと思います、先生、よろしくお願い致します。
三石由起子:はい。
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さすがは三石先生、見事な回答です。スカッとしました。
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