飛行機で1時間くらいの所に住んでいた母、85歳で1年ほど前に亡くなる。4~5年前に隣の80歳(現在)くらいの女性に200万円貸していた。亡くなった時、借用書を母から自分宛に書き直してもってきたが、返す返すと言って返してくれない。腹が立つのは香典で1円も出さなかった。なにかの満期のお金200万をおろした時に出会って、そのまま貸してしまったとのこと。悔しいのでどうすれば少しでも返してもらえるのか。
テレフォン人生相談2016年3月19日(土)
パーソナリティ:今井通子
回答者:伊藤恵子(弁護士)
相談者:64歳男性 妻62歳 2人暮らし 独立した子供 長女38歳 次女35歳 長男33歳 亡母85歳(1年前他界)
テレフォン人生相談の読み方・歩き方
放送される相談と回答は、限られた時間内で録音された内容を、カット・編集されたものです。
相談者の背景や現況がカット・編集されることも多く、どちらかと言えば、回答・アドバイス寄りにカット・編集されている事もあるようです。
その為、情報不足になり捉え方によっては、他者と違う感想になることもありますが、それらはリスナーの環境や体験談が代わって補うためと思ってってください。
何度も繰り返し聞いてみたり、時を隔てて聴きなおしてみると、聞き漏らした言葉や自身の環境の変化や体験談が加わり、最初に聴いた時と異なる感想になる場合があります。
異なる感想を述べる方の背景を考えてみるという楽しみ方もありますし、編集者の意図を探るという聞き方も面白いので、色んな楽しみ方を探してみてください。
借りたお金を返さない隣人
1年前に他界した母からお金を借りていた隣人、1円たりとも返さず悔しがっていた母。借用証を母から自分名義に書き直して持ってきた隣人の女性、返す返すと3回も延ばして欲しいと言ってきた。母への香典すら持って来なかった隣人に悔しいと相談者。
隣人にお金を貸した亡き母
ちょっと、お金の事で相談したいと思って電話したんですけど、と 64歳の男性。
まだ働いており、妻もヘルパーの仕事をしている。
1年ぐらい前に私の母が亡くなった、と相談者。
その母が顔見知りの女の人に、200万円貸していたが、返す返すと言って全然返してくれない。
借用書もあるのだが、母が亡くなってからまた来てもらって、借用書を書き直してもらってあるのだが、一向に全然返してもらえない。
あなたのお母様から借金を借りたのは女性?何歳ぐらいの方?と今井通子。
もう80ぐらいじゃないかと思うんですけれども、と相談者。
お母様との関係はどういう関係でした?と今井通子。
ただの顔見知りというか、実家の隣り合わせというか、と相談者。
ご近所の方ね、と今井通子。
相手の方は借金してることはご存知なわけね?と今井通子。
はい、そうです、借用書も自分で書いて持ってきたんですからね、と相談者。
借用書は書くが返さない
借用書はまず、お母様に借金したということで、お母様名義だったんですよね? お母様が亡くなりました、その時からあなた名義に書き直したものを持ってらしたの?と今井通子。
はい、書き直して持ってきてくれましたけれども、と相談者。
借金の返済の仕方はどういう風になっていたんですか?と今井通子。
いや、それはわかりません、ただ返すということだけですけれど、と相談者。
月にいくらずつ返しますとか、と今井通子。
いや、それは詳しくないです、と相談者。
そういう話もなく、ただ200万借りましたという借用書だけ?と今井通子。
それはなんか司法書士の所へ行って書いたもの?
俺が見たのは、ただ便せんみたいなのに書いて、ハンコを押しただけなんですけどね、と相談者。
お母様が亡くなって1年ぐらい経たれるわけですよね、それでその借用書もらってから1年ぐらい経っていますか?と今井通子。
はい、経ちました、と相談者。
何回か催促されてるの? と今井通子。
やりましたけど、何月に返す、何月に返すって一向に返してくれないんですけど、と相談者。
これ一括して?と今井通子。
はい、そうです、と相談者。
全部返しますって話なのね、と今井通子。
はい、そうです、と相談者。
借りた方ご本人は、 80歳位で、ご主人とかは、いらっしゃりそう?と今井道子。
旦那さんは死んだと言ってましたけどね、娘さんがいるとは聞いたんですけど、見たことがないです、と相談者。
お会いになったこともないということ?と今井通子。
ないですね、と相談者。
少しでも返して欲しい
それで今日のご質問はなんですか?と今井通子。
その人にどうすれば少しでも返してもらえるかなと思って相談したんですけど、と相談者。
悔しいですよね返す返すって言われて。
ご実家のお隣は、あなたが今住んでるいるお家からも近いの?と今井通子。
結構遠いですね、飛行機で1時間はかかりますけれども、お相談者。
お母様がなくなりました、でお父様はもっと前に亡くなっているの?と今井通子。
俺、 1歳の時に別れて・・・と相談者。
あっなるほど、お母様が亡くなられた後のご実家は誰か管理されているの?と今井通子。
一応名義は私のものになっていますけれども、空き家です、と相談者。
だれも住んでないのね、ということは、もし催促に行くとしても1時間飛行機に乗って行かなきゃならないってことだわね、と今井通子。
はい、そうです、電話とか、なんとかならないのかなと思っているんですけども、と相談者。
分割返済や連帯保証人
支払い督促や差押え等、難しい場合、悔しいけれどと半ばあきらめるよりも、一括で返済を求めるのではなく、連帯保証人を立させたり分割返済の提案をしてみる。
不可解な貸し方
お母様は、その200万円って、何時頃貸されたんでしょうかね?と伊藤恵子。
もう4、5年だと聞いているんですけども、と相談者。
いっぺんに200万円、貸したんでしょうかね?と伊藤恵子。
はい、そうですと相談者。
何の目的で、お金がいるって貸されたのかしら?と伊藤恵子。
それは私もわかんないです、ただ下ろして出たところを、ちょうどばったり会って貸してくれと・・俺もちょっと不可解なんやけど、貸したって、と相談者。
貸したってお母様からそういう話は聞いていたんですか?と伊藤恵子。
はい、聞いてます、と相談者。
隣の人が、あなたのお母様がお金をおろして出てきたら、貸してくださいって言ったので、貸しちゃったと、と伊藤恵子。
返す返すで返さない
お母様がお亡くなりになったのは何歳ですか?と伊藤恵子。
85歳です、と相談者。
85歳ね、そうすると、お金おろしてきたっていうのは、 80歳のころですよね、と伊藤恵子。
200万円って結構大きなお金ですよね、普通のお婆ちゃまにとってはね、それをポンと貸してしまったっていうのは、何かちょっと・・もともとおろしたのは、何かに使うためにおろしたんでしょうにね、と伊藤恵子。
私が聞いた中では、何か満期で、こう・・・出したというか、おろしたというか、と相談者。
それでちょうど満期になったんだ・・ということなんですか、と伊藤恵子。
お隣の方というのは、支払い能力とかそういうことはどうなのかしら?と伊藤恵子。
いや、たぶんね、ないんじゃないかと思うんですけどもね、と相談者。
お隣の方は、お家を持ってらっしゃるんですか?と伊藤恵子。
はい、あります、と相談者。
そのお家は、お隣のお婆さんのものなのでしょうか?と伊藤恵子。
そうです、まぁ登記とか、そういうの見た事ないから、ずっと住んでますけどね、と相談者。
どういう形にするかって言ってもね、確かに飛行機で行って、返してくれないものをまた飛行機代だけかけるのも何ですよね、と伊藤恵子。
で、連絡先としては知らないわけ?
連絡先、家も携帯も控えてますし・・・と相談者。
で、電話しても、いつまで返しますって言うだけで、ちっとも返ってこないと、それだけなんですね、と伊藤恵子。
ちょっとその借り方もすごく変だし、そういうのでそのままにして、書くものはパッパッと書くけれど、一向に返してくれないと、という形なんですね、と伊藤恵子。
代わりに催促する人
どなたか、向こうの方で、あなたの代わりに、あなたが誰か頼んで・・・と伊藤恵子。
あ、催促するんですか?と相談者。
してくれそうな人ってないのかしら?と伊藤恵子。
俺もそれ、考えたには考えた。俺の叔母さんが居るんですけど、その人にも100万貸してるんですよ、お母さんが。
ほいで、叔母さんに、もし取れたら半分やるとかチャラにしてやるとか、そういう考えも少しはあったんですけどね、と相談者。
笑う伊藤恵子。
あんまり、いやらしいかな、と思って、と相談者。
そうですね、と笑う伊藤恵子。
その叔母さんが言ったからって、ちょっと分からないですけどね。
香典もなく悔しい
手続き的な形でいうなら、裁判をやるとかね、取り立て請求の支払い督促って方法があるんですけど、裁判所から、払いなさいっていうのを出してもらうとか、っていう事をできなくもないですけど、それ出しても、払いませんって言われちゃうと、なんか大変ですよね、と伊藤恵子。
この方の財産か何かあれば、それを差押えするとかね、いろんな形はあるんですけど、どういう方なのか、財産もどうなっているのか、分からない状況だと、難しいような気もするんですよね、と伊藤恵子。
私が一番思うのは、香典の一円も出さなかったのが悔しいと、せめて香典ぐらいはと、それとかせめて1割返すとかね、まったく心がこもってないとか、お金がない、それが悔しいというか、お母さんも結構悔しがってたんですけどね、と相談者。
一括でなく分割
この人は、どうやって生活してらっしゃるの?と伊藤恵子。
たぶん、年金ぐらいじゃないですかね、そこまで知らないけれど、と相談者。
普通に生活してらっしゃる方なの?と伊藤恵子。
はい、そうです、と相談者。
娘さんが居るっていうのは、お母さん、そう言ってたわけね、と伊藤恵子。
ちょっとなかなか取る、うまい手立てといっても、どうやったら返すんだって形で言って、返してくれないんだったら法的な手続きとりますよって言ってみても、どの程度に回収できるかなってところですかね。
そうですね、もう結構、糠に釘みたいな感じですね、と相談者。
言うことはしっかり言うんですけどね、あれ何月に返しますとかね、その時は向こうから電話がかかってくるんですよ、と相談者。
例えば、何月に返すと言いますでしょう、そいでこの月は駄目だから、またふた月待ってくれとか、それがもう3回あったんです。
少なくとも、一括と言うから大変なので、今ある部分で、少しでも今月は、1万円でも、5万円でも、とりあえず返してくださいと、いうふうな形で、少し言ってみたらどうでしょうかね?と伊藤恵子。
それも考えてみます、まったく誠意がみられないというか、そうしてみますけど、と相談者。
向こうは返す返すと言ってるわけでしょうから、それであるなら、一括200万、どうやって作るのか分からないんですけれど、1ヶ月に5万円とか、次返します、その時に返せませんって言うのなら、いくらなら今ありますか?って聞いて、その分だけ、ちょっと1万円しかないって言うのなら、1万円ずつでもいいので、毎月返してきて下さいよと、いうような話しで、繋げていくしかないんじゃないかしら、と伊藤恵子。
法的手続きも財産無ければ無駄
電話して、それ言ってみます、と相談者。
もう、半分あきらめてきたけどね。なんとなく悔しくて・・・
疲れちゃうんですよね、やっていると、と伊藤恵子。
確かに法的な手続きは、調停を起こすとかね、支払督促とか、裁判所の方から払いなさいっていう、判決と同じようなものを貰う事をすることはできますけれど、それでもなかなか、実際上、取り立てるとなると、財産がなければできない、家を差押えても、大変なことになっちゃうし、そんな費用をかけるのも大変かもしれないしってとこですよね、と伊藤恵子。
だから少しずつでも、今言ってみたような形にするか、あなたが返すって言っても、ちっとも信用できないから、娘さんを連帯保証人にするとか、娘さんと替わってくれとか、娘さんと話しをしたい、という形にしたいとされたり、してみたら、娘さんも、お母さん、返さなくちゃいけないな、と言ってくれるかもしれないじゃないですか。
借用書に連帯保証人を加える
おわかりいただけましたか、と今井通子。
あなたの奥様とかは、どう思ってらっしゃるの?
あの嘘付きめとか、言ってます、と相談者。
返してもらいたいは一緒?と今井通子。
はい、気持ち的なものですけどね、貸せ貸せと言う時には、頭下げて貸せ貸せ、今度返してくれって言ったら、今度返す、いつ返す、嘘場ばっかりついて1円も返さんというのが悔しいというか、と相談者。
先ほどなんか、借用書もってらしたって言ったけど、あれって1年経っても大丈夫なんですか?と今井通子。
1年経っても大丈夫です、と伊藤恵子。
ああ、そうですか、はいはい、相談者。
そうすると、先生ね、これからもう1回書いてもらう時には、何月何日までには返しますっていうのを書きますよね、その後に条件として、もしこれが返せなかった場合には、家財とか、その他諸々差押えますみたいな、そういうのも書けるんですか?と今井通子。
いえ、差押えても構いませんっていうのを、言うかもしれない。それは
いくらでも言っていただいても、結構だと思います、と伊藤恵子。
だからまたは、家を売ってでも払いますってことなのか、わかりませんけれど、それぞれがあるかもしれないですよね。
で、普通、保証人をつけるとかね。
保証人になる人、いないでしょう、と相談者。
少なくとも、お譲さんになってもらうとか、と伊藤恵子。
はいはいはいはい、と相談者。
嘘ばっかりついてると思うんじゃなくて、ちゃんと約束して果たしてもらわなくちゃ困るから、じゃあ、お譲さんにも保証人になってもらうようにしてくれとか、ちっとも誠意がないじゃないか、ということで、そういうふうにできないかっていうのも1つ提案としてあるかもしれないですよね、と伊藤恵子。
そうすると、お譲さんの方が、お母さん、ちゃんと払って頂戴よと、そうしないと困ると、そういうふうに言ってくれるかもしれない、と伊藤恵子。
次に書いてもらう時には、そうやって書いてもらった方が、いいかもしれないですよね、と今井通子。
管理人のちょっとひと言
ちょうど、放送終わってから、知人の伯父さんで90オーバーの独居の方の借金問題(同様に貸した方)のお手伝いをしてきた。
裁判して勝ったんだけどね、お金の無い人からの回収は難しい。
開き直られたら、どうしようもない。
どこかに隠しているのだったら、見つけなきゃいけないのはコチラ側。
腹立たしいけどね、返さない人って、そういう人が多いから、諦めざるを得ない可能性は高いって、ダメ押しされたところ。
わかっちゃいるけど、当事者にとってみたら、悔しいのひと言。
今回、伊藤先生は、娘を連帯保証人にって、言ってるけど、どこまで期待して言ってるのだろう?
というか、可能性はけして高くはないけれど、それだけ手段が無いってことだろうね。
そんなことは、先生が一番ご存知なんだろうし。
まず、連帯保証人に名を連ねてくれるかどうか、ってことだけど。
普通に考えたら、拒否するだろうね。
なにも、火中の栗を拾う必要なんかないんだから。
それと、顔も見た事ないし、その存在を知らなかった娘。
相談者自身も、どれほど実家に帰っていたのか、わからないけれど、自分の事は「俺」って言うのに、母親を呼ぶときは「お母さん」って言ってるから、余程大切にしてたんだろうと思う。
だから飛行機で1時間かかっても、一人暮らしの母親の所へ、足しげく通ったり、連絡とっていたと思うよ。
なのに隣人の娘を見たことないっていうのも、変な話しかもしれない。
まあ、お金を借りて返さない人。
実の娘に対しても、同じことをしているか、同じように、母親が他の人からした借金で苦しんだ過去がある可能性が高いよね。
簡単に言えば、疎遠になっていると思う。
であるならば、保証人になるなど、まず考えられない。
それに、母親の借金が怖くて相続放棄するかもしれないしね。
そう考えると、分割で1回でも多く、少額を返してもらうのがベストかな。
それすら、無い、無いって言われたら、どうしようもないからさ。
どれだけ親しくとも、借金は断るか、あげたものと思え。
毎回、こんな教訓にしか、たどり着けない借金問題。
断る勇気だよね、それさえ持てれば、大丈夫なんだろうけどさ。
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