テレフォン人生相談
大原敬子


テレフォン人生相談 2008年6月9日(月)
パーソナリティ:加藤諦三
回答者:大原敬子(幼児教育研究)
44歳の男性から、妻は8年前に鬱病を患い自死、当時小学1年生だった13歳の三男、小学生からの悪い友達の使いっ走りで、財布から千円単位でお金を抜くようになる。こちらお勧めと本人の希望で学校を変るも、ここ2週間、行ってない。夜、星を眺めてボーっとしてる時期もある。中学だけでも出て欲しいが、勉強しても無駄と言って行かない。
加藤諦三氏の〆の言葉『傷ついた子供は、家で癒されないものを、悪い子のグループの中に求めます』

スポンサーリンク

中学校だけは出て欲しいという相談

相談者は44歳、妻は8年前に鬱病を患い自死、子供は男の子3人、長男17歳、次男15歳、三男13歳(中学校2年生)、母親が一緒に育てている。

加藤諦:で、どんな相談ですか?

相談者:一番下の子が、今、学校に、ちょっと行かない状態なんですよ。

加藤諦:13歳の子ね?

相談者:はい、中学校2年生なんですけども。

加藤諦:いつ頃から行かないの?

相談者:実際は、中学入ってすぐくらいから、行ったり、行かなかったりっていう形にはなってたんですけども。

相談者:最初・・小学校の時はもう、ちゃんと、だいたい、毎日のように行ってたんですけども。

相談者:中学校、そのまま校区が同じところなんで、そのまま繰り上がりって形で、中学校、行ったんですけども。

相談者:その時に、小学校の、悪い友達とずっと付き合ってたみたいなんですよね。

相談者:それでぇ・・学校でまぁ、いろいろ悪さっていうか、イタズラみたいなことして、タバコ吸ったりとか・・夜・・遊びに出て行ったりとかしてたんですよ。

相談者:でぇ、それでぇ・・こちらから、「もう、そんなことだったら学校、変えるから」っていう形で、うちの息子に言ったんですけども。

相談者:その時は、「絶対に変わらない」っていう形で、言ってたんですよ。

相談者:でぇ、それがある時に、6月だったと思うんですけども、自分から、「学校、変えてくれ」っていう形で、急に言い出して。

加藤諦:それがなに?1年生の時?

相談者:そうです。

加藤諦:はい。

相談者:それでぇ・・目覚めたのかな?って、そういう悪いことばっかりしてるのは・・目覚めたのかな?って形で、でぇ、そん時も、たまに、ちょくちょくお金がなくなったりというのもあったんですよ。

相談者:でぇ、まぁ、実際の・・

加藤諦:要するに、あなたの財布から、取って行ったということですね?

相談者:そうですねぇ。

加藤諦:はぁい、はぁい。

相談者:それもその、本人かどうかわからないから・・まぁ、あんまり犯人扱いばっかりするのもいかないと思ってですね。

加藤諦:はい・・どのくらいですか?額は?

相談者:えーっと、まぁ、3千円とか・・2千円とか、そんぐらい、千円た・・2、3千円ですね。

加藤諦:千円単位ですね?・・はい。

相談者:はい・・ま、それでぇ・・ま、学校変わって、え・・最初のうち・・

加藤諦:「変えてくれ」って言われて、あなた、変えたんですか?学校を?

相談者:そうです、はぁい、「もう学校を行きたくない」って形で。

相談者:もう、「怖い」っていうかもう、「顔を合わしたくない」っていう形で、言われたんですよ。

加藤諦:はい・・はい。

相談者:あのぅ、そういう友達と・・ですね。

加藤諦:「怖い」っていうの、具体的に言うと、どういうことをされてたわけ?

相談者:うちの子は、ちょっとどちらかというと、優しい方の・・部類なもんで、お金を・・向こうにもって行って、タバコ銭にしたりとか、使いっ走りみたいな形にされてたんじゃないかと思うんですよね。

加藤諦:ということは、3千円とか2千円とかっていうのは、悪い友達に渡してたっていう・・はいはい。

相談者:そういうふうに、あたりに・・はい、でぇ、それがもう、「全然もう、行きたくない」っていう形で、「学校、変えて欲しい」って形で・・言われたんで。

相談者:でぇ、その旨を、学校に相談して。

相談者:学校を変えて・・ましたけども。

相談者:最初のうちは・・どうしても行ってたんですけども。

相談者:まぁ、いっとき・・して、まぁ、行ったり、行かなくなったりとか。

相談者:っていうのが、ちょくちょく出て来たしてですね、はい。

加藤諦:はい、今はもう、ずーっと行ってないわけですね?

相談者:そうですね、もうここ・・2週間ぐらいは、行ってない・・はい。

加藤諦:2週間?

相談者:でぇ・・その原因としてはそのぅ・・うちの家内がですね、8年前に亡くなったんですけども。

加藤諦:はい。

相談者:うつ病にかかってですね、自ら、命を絶ったもんで。

加藤諦:ああ・・はあ、はい。

相談者:はい、それでぇ・・まぁ、その時に、一番下の子は、まだ小学校1年生だったから・・どうしても、それから・・ずっと、甘えるっていうことが、出来なくてですね。

相談者:まぁ、寂しい思いもしてたのかな?と、思うんですけども。

加藤諦:はぁい。

相談者:まぁ、去年の・・6月から学校、変わりましたけども。

相談者:学校、変わっても、夜はどうしてもなんか、一人で、ベランダで・・星をずーっと眺めて、ずーっと一日、ボウっとしてたりとかですね、その間に・・そういう時期もありました。

相談者:でぇ・・

・・

相談者:「もう、なんで行かないのか?」っていう形に、言うと・・「もう勉強しても一緒」「無駄なことやから」っちゅう、だけなんですよね。

相談者:でぇまぁ、「中学校だけは、なんとか出てくれ」っていう形で、わたしは言ってました、もう最初は、もう。

加藤諦:はい。

相談者:「もう、高校は、行かなくなら、行かなくてもいいから、もう、中学校だけは、なんとか出てくれんやろうか」って形で。

加藤諦:はい。

相談者:はい、でももう、自分では、「もう行っても無駄やから」って形ばっかり・・もう、一本やりなんですよね。

加藤諦:うん・・

相談者:そこでどうしても、今のところ、行き詰ってですね、どうしたら・・いいのかな?ってですね。

加藤諦:はい、んでぇ、さっきねぇ、「すごく優しい子だ」って言いましたよねぇ?

相談者:はぁい。

加藤諦:でぇ、たぶんそうだろうと思うんですが、お母さんが・・8年前に亡くなられた時に・・心の中に、何かを持ったって事はないですかね?

相談者:まぁ、去年・・の、担任の先生の・・ですけども。

相談者:先生に、まぁ、女の先生だったんですけども、「うちの・・お母さんは、どういうふうに亡くなったんやろうか?」っていう、問い掛けはしてたみたいなんですよ。

加藤諦:でぇ、あなたはどういうふうに説明してるわけ?

相談者:わたしはもう、病気で亡くなったっていう形でしか言ってません。

加藤諦:うーーん・・

相談者:はぁい。

加藤諦:そいで今、今日の相談というのは・・13歳の・・不登校になって、まぁ、とにかく2週間、行かなくなってしまった・・子供に・・

加藤諦:どう接したらいいか?っていうことですね?

相談者:そうですね、それとあと、どうかして、中学校だけは、出したいなと思ってですね。

加藤諦:はい、わかりました、今日はスタジオにですね、幼児教育研究の大原敬子先生がいらしてるので、伺ってみてください。

大原敬子アドバイス

※泣きながら語る大原敬子

大原敬:子供がですね、月を見たり、星を見てるっておっしゃいましたね。

大原敬:あれ、どんな感情かわかります?

相談者:いや、あん時は辛かった・・ろうとは思います、わたしとしては・・

大原敬:どういう気持ちかわかりますか?

相談者:母親がいないんで、甘える者がいないっていう形だったのかなぁ・・と思ったりもします。

大原敬:もっと辛いものです、これは。

相談者:ああ・・

・・

大原敬:心の叫びなんですよ。

相談者:はい。

大原敬:「助けて」と言っても、「助けてくれる人はいない」ってこと。

相談者:はい。

大原敬:語って欲しくても、語ってくれる人がいないって。

大原敬:ないものを求めながら、やっぱり求めてしまう時に・・

相談者:はい。

・・

・・

大原敬:月とか・・

・・

大原敬:ぅぅぅ・・星を見てしまうんですよ。

相談者:はい。

大原敬:その子に・・

・・

大原敬:今、学校へ行けなんて・・学校っていうのは・・

・・

・・

大原敬:なにか・・手に入るもの・・

・・

大原敬:頑張れば・・

・・

・・

大原敬:触れられるもの・・

相談者:はい。

・・

大原敬:耐えれば・・

・・

大原敬:ズズッ・・手に入ると思ったときに、学校は行きますけれども。

相談者:はい。

大原敬:ズズッ・・この子にとっては・・

・・

大原敬:いくら頑張っても・・

・・

・・

大原敬:お母さん、いないんですよ。

相談者:そうです、はい。

・・

大原敬:その子に・・

大原敬:学校へ行けト言う方が酷なんですね。

・・

大原敬:ズズッ・・

相談者:は、はい・・

・・

・・

大原敬:もっと言うと・・この子の過程がよくわかるのはねぇ・・

大原敬:最初、悪い子のグループに入っていたっておっしゃいましたね。

相談者:はい。

・・

大原敬:一見、悪い子のグループっていうのは・・

大原敬:寂しいとか・・

大原敬:怒りとか・・

大原敬:不満が集まる子が多いんですね。

相談者:そうですね、はい。

大原敬:彼は、そこへ孤独感で入ったんですね。

相談者:はい。

大原敬:ところが、彼がそのグループに入ったのは・・

・・

大原敬:現実を忘れたいために入ったんですよ。

・・

相談者:はい。

大原敬:ところが、現実を忘れたいためにそのグループに入ったんだけど。・

・・

大原敬:その子たちから出る言葉と・・

・・

大原敬:自分が求めてる言葉が、まったく違うんですね。

大原敬:あるいは、親が面白くないとか・・母親がこうだと。

・・

大原敬:この人達は、目の前にいるじゃないか・・って。

・・

・・

大原敬:僕は、求めたくても居ないんですよ。

相談者:うん、はい。

・・

大原敬:その時に・・彼が、なにか違う?って感じたんでしょうね。

相談者:そうですね、そんでぇ・・まぁ、移って、学校移ってからも、やっぱりそれが、あったのか、その、そういう遊びで紛らわせてたのが・・今度、そういう悪さをしなくなって・・

相談者:一度、そのぅ・・病院に、かかったこともあるんですけども。

大原敬:だってこの子、病院にかかるものじゃないですもの。

相談者:はい。

大原敬:ほんっとに優しい子ですよ、この子。

大原敬:そして、まぁ本来、あまりお金使わないですよ

大原敬:そしてね・・ある程度、我がまま言わない子なんですね。

相談者:そうですね、はい。

大原敬:あの、よく、お月さん見る子と、星を見る子、だいたい似てるんですね。

相談者:はい。

大原敬:どんあに親が憎くて恨んでいても・・

・・

大原敬:親を心の中から求めるのは・・お月さまと星なんです、これ。

・・

相談者:うん。

大原敬:それを考えると・・

・・

大原敬:この子、学校へ行く意味、今、あるのかしら?

大原敬:わたしが・・

相談者:はい。

大原敬:今、自分がその立場だとしたら・・

・・

大原敬:この子、心癒されたら・・

・・

大原敬:いつでも、学校へ行けます。

・・

相談者:はぁい・・

・・

相談者:今は一応、***ます、はい。

大原敬:学校へ行って、何になるんだ?ってことなんですよ、彼は。

相談者:そうです、そう、今、はい。

大原敬:学校へ行って、先生と話して、何になるんだ?ってことなんですね。

・・

大原敬:でぇ、もう一つは、彼はなんとなく知ってますね、お母さんの状態を。

相談者:はああ・・

大原敬:その時にね。

・・

大原敬:子供ってねぇ・・病気で亡くなった時は・・

・・

相談者:はい。

大原敬:諦めつくんですね。

相談者:はい。

大原敬:でぇ、もし、違う事故で亡くなった時にはね。

・・

大原敬:喪失感になるんですよ。

相談者:はぁい・・

・・

大原敬:この自分が居たのに・・

・・

大原敬:置いて逝ってしまったお母さんなんですね。

相談者:はぁい・・

大原敬:それは、おばあちゃんでも、お父さんでも、お兄ちゃんでも誰も埋めてくれないんです、お母さんの存在っていうのは。

相談者:そうなんですね、はい。

大原敬:じゃあ、どうするかですよね?

相談者:そうです、はい。

大原敬:今日から、学校へ行かせようっていう気持ちは止めて・・夢のない世界でね・・何をすればいいか彷徨ってるこの子に・・

・・

大原敬:夢を与えて欲しいんですよ。

・・

相談者:はい。

大原敬:それは、育てることなんです。

相談者:はい。

大原敬:育てるっていうのは、植物なんです。

・・

・・

大原敬:最初に、お父さんが始めて欲しいんですけれども。

相談者:はい。

大原敬:耕したり・・

・・

大原敬:種を蒔いたりすると・・

・・

大原敬:自分のやった・・力が見えるんですね。

相談者:はい。

大原敬:自分がいなければ・・この植物、枯れてしまうんですよ。

相談者:はい。

・・

大原敬:収穫したらもっと喜ぶかしらね。

大原敬:**か、野菜か、どっちかわからないんです、これ・・この子の場合は。

大原敬:でも普通は、満月でお月さまが好きな子は・・実のなる物が好きだって言うんですけれども・・

大原敬:ほんっとに夢がなくなってしまって・・生きる望みがなくなった時っていうのは・・

・・

大原敬:土の中から出て来るものなの。

大原敬:人せってね・・その時、お父さん、話して欲しいんですよね、わたしもすごく辛い時あるんですね。

相談者:はい。

大原敬:ま、一番好きだったのは祖母なんですけども。

・・

・・

大原敬:祖母が・・

・・

大原敬:「土」っていう字はね・・プラスとマイナスなのよって。

大原敬:プラスとマイナスをくっつけて、「土」と言うんだって。

・・

・・

大原敬:だから・・形あるものはいつかなくなる。

相談者:はい。

・・

大原敬:なくなったそのエネルギーで、また新しい物が生まれるんだよ・・っと、教えてくれたんですね。

相談者:はい。

大原敬:ほんっとに、夢がなくなった時っていうのは・・わたしはお花とかなんとか植えるんですけども。

相談者:はい。

・・

大原敬:力が出て来るんですよ。

相談者:はい。

大原敬:まぁ、このお子さんと・・

・・

大原敬:同じかどうかわからないんですけども・・

相談者:はい。

・・

大原敬:わたしも寂しい時は・・お月さん見るんですね。

相談者:はい・・

大原敬:祖母に会えるから。

・・

・・

大原敬:でぇ、当たってるとき、とても心が楽になるんです。

・・

・・

大原敬:そうして、エネルギーを蓄えて、蓄えて・・

・・

大原敬:自分で立ちあがるんです。

・・

相談者:はい。

大原敬:もう、この子に信じることは一つ。

・・

大原敬:空を見て、夜空を見てるって思った時に・・「ああ、この子、きっち立ち上がるんだな」って。

大原敬:その一つが・・「お父さん、僕、学校変えて」って言ってましたね。

相談者:はい。

大原敬:自分の意思で言ってますよね。

相談者:そうですはい。

大原敬:必ずこの子、学校へ行きますよ。

大原敬:中学校、卒業します。

・・

相談者:はい。

大原敬:学校なんてって、思いませんか?

・・

大原敬:夢があるからみんな学校へ行くんですよ。

相談者:はい。

大原敬:不満があるから学校へ行けるんですよ。

相談者:はい。

大原敬:でも、愛のない世界で・・なんのために学校へ行くんですか?

・・

・・

大原敬:そう思いませんか?

相談者:はい。

・・

相談者:そうですねぇ・・

大原敬:たかが1年ぐらい、学校へ行かなくったって、お父さん、この子いればいいでしょう?

相談者:はい。

大原敬:そう思いませんか?

相談者:そうですね、はい。

大原敬:生きていればいいじゃないの。

相談者:あの、子供が死・・死・・殺してくれって言う時もありましたもんね。

大原敬:ああ・・

相談者:はい・・

大原敬:この子が、生きていればいいってことです。

大原敬:この子が元気でいればいいってことが、まず、第一条件・・次に、この子の寂しさを・・

・・

大原敬:俺は何をしてあげるか?ってことですよね。・

・・

大原敬:それは、お父さんの寂しさ、悲しさをね・・この子に全部、裸になってぶちあたることなんです。

相談者:はい。

大原敬:お父さん、腹括って、この子を抱きしめてあげて欲しいなと、わたし思うんですけども、先生、いかかでしょう?

加藤諦三まとめ

加藤諦:あのね・・親が社会的立場を気にした時っていうのが、子供が、もの凄い傷つくときなんです。

相談者:はぁい・・

加藤諦:「中学校だけ・・出てくれ」とかね。

相談者:はい。

加藤諦:子供に自信を与えるのは・・親の感情ですからね。

相談者:はい。

加藤諦:親の評価じゃないですから。

相談者:はい。

加藤諦:よろしいでしょうか?

相談者:はい、わかりました。

加藤諦:はい、どうも失礼します。

相談者:はい、ありがとうございました。

スポンサーリンク

コメント一覧

この記事へのコメントはありません。

コメントする

コメント

※メールアドレスは公開されません。

Comments links could be nofollow free.

CAPTCHA