テレフォン人生相談2010年6月2日(水)
パーソナリティ:加藤諦三
回答者:三石由起子(作家・翻訳家)
63歳女性から、自営業の夫、親の会社を継いで40年間赤字続きで、夫の姉がずっと補填してきた。借金は累積で1千万円、現役の薬剤師姉が保証している。この暮らしに耐えられないから会社を辞めたいのだが言い出せない。
加藤諦三氏の〆の言葉『権力意志の人間は、お金でも何でも人を助けますが、相手の幸せだけは考えません』
目次
40年間赤字の会社を支援し続ける義姉
相談者は63歳女性、夫は66歳、子供二人は双子の男の子で29歳、同居の夫姉は現役の薬剤師で76歳。今、住んでいる土地は姉名義。
加藤諦:もしもし?
相談者:あ、もしもし?
加藤諦:はい、テレフォン人生相談です。
相談者:あっ・・
加藤諦:最初に年齢を教えてください。
相談者:はい、わたくしは63歳です。
加藤諦:63歳・・結婚してます?
相談者:はい。
加藤諦:え・・ご主人何歳でしょうか?
相談者:はい、66歳です。
加藤諦:66歳・・お子さんは?
相談者:29歳で双子です。二人・・です。
加藤諦:男の・・子?女の子?
相談者:はい、男の子です。
加藤諦:両方とも男の子?
相談者:はい。
加藤諦:はいわかりました。
加藤諦:それでどんな相談ですか?
相談者:はい、それと・・もう一人、同居人、主人のお姉さんがおられますけども。
加藤諦:ご主人のお姉さん、このお姉さん何歳ですか?
相談者:はい76歳です。
加藤諦:76歳・・
相談者:はい。
加藤諦:はい。
相談者:相談と・・申しますのは。
加藤諦:はい。
相談者:主人の会社はずっと・・赤字ですので。
加藤諦:はい。
相談者:それであの、その赤字の補填と言いますか、生活費と言いますか。
加藤諦:はい。
相談者:そういうことを、お姉さんが保証してくださってるんですけども。
加藤諦:これあのぅ・・お姉さんは76歳で、結婚は・・なさらなかったんですか?
相談者:はい、しておられませんし、ただ今も、お仕事中です。
加藤諦:という事はかなりお金が、今76歳で、現役で働いてらっしゃるの?
相談者:はい、はい。
加藤諦:でぇ、え・・収入はかなりあるわけですね?
相談者:普通よりはあると思います、薬剤師ですから。
・・
加藤諦:あのぅ・・会社が赤字っていうのはどういうことですか?
加藤諦:あなたのご主人が会社を経営してるの?
相談者:はい・・経営してます。
加藤諦:経営してるの?
相談者:はい。
加藤諦:でぇ、経営して、ずーっと赤字だって、これ大変なことじゃないですか。
相談者:そうです。
相談者:あのぅ・・だから、姉がてつだ・・あの、保証してくれてるんだ、という言い方を・・します、主人は。
・・
加藤諦:あの・・失礼ですけど、この会社、何人ですか?
・・
相談者:あの主人とわたくしだけです、今は。
・・
・・
相談者:あの、前はあのぅ・・主人が・・
・・
相談者:高校生の頃、10人くらいおられたんですけども、お父さんが亡くなってから、だんだんと主人が経営するようになりましてから、あの、赤字になってます。
・・
加藤諦:ずーっと赤字っておっしゃってましたよね?
相談者:はいはい。
加藤諦:何年間ですか?
相談者:約40年くらいですかね。
・・
加藤諦:40年、ずっと赤字?
相談者:はい、ざっと・・はい、はい。
加藤諦:それで赤字の額が・・年?
相談者:そう・・1千万・・あたりだと思います。
加藤諦:多い時には、千万台の赤字?
相談者:あ、いえ、あの多い・・あの***がですよ。
加藤諦:あっ・・累計が?
相談者:はいはい、そうです。
・・
加藤諦:当然・・給料もないわけですから。
相談者:はいはい。
加藤諦:生活していけるわけないですよねぇ?
相談者:はい。
・・
加藤諦:するとその生活費を、お姉さんから、もらっていると?
相談者:ええ。
相談者:あの、借りてるみたいです。
・・
加藤諦:借りてるみたいっていうことは、あなたはそれは、あまり知らないわけね?
相談者:ええ、あの別に、きちんと相談はないですし、なんぼ借りたということも言わないですけども。
加藤諦:そのぅ・・お姉さんが、ずーっとそれを、40年間補填してるんですけども。
相談者:うん・・
加藤諦:今日のあなたの相談っていうのは、どういうことですか?
相談者:それでぇ、わたくしは、あの、辞めたいんですけども、この仕事を。
相談者:ところがお姉さんから見ましたら、あのぅ、辞めてしまったら、主人の生き甲斐がなくなるし、テレビ三昧になってしまうから、あ・・あのぅ・・
相談者:今、続けた方がいいとおっしゃるんですけど。
加藤諦:ええ。
相談者:わたしが・・もう・・
相談者:耐えられないんです。
相談者:この暮らしに。
加藤諦:はい。
相談者:働きに・・出たいなぁと・・思ってるんですけども、ええ。
加藤諦:もう、働きに出たい?
相談者:はい。
加藤諦:そういうことですね?
相談者:はい。
相談者:でも、あのぅ・・
相談者:なんて言うんですか?
・・
相談者:言い出せないでおります。
加藤諦:あっ、まだあのぅ・・い、言わない、言ってないわけね?
相談者:はいはい。
加藤諦:あ、あのぅ・・ご主人にも?
相談者:はい。
加藤諦:あなたなんでお姉さんがそういうこと言うと思う?
・・
相談者:主人がかわいいからじゃないでしょうか?
・・
・・
加藤諦:主人がかわいいんでしょうかねぇ?
相談者:わたしは、子供と・・話しをしてるのは、結局、主人を甘やかしてるんだと。
加藤諦:お姉さんが、主人を甘やかしていると?
相談者:はい。
加藤諦:うーん・・
加藤諦:お姉さんは・・
相談者:はい。
加藤諦:今の話聞くと、援助し続けますよ。
・・
・・
相談者:うん、あの、援助し続けてもらうのは大変ありがたいんですけども・・あのぅ・・
加藤諦:なんでありがたいの?
相談者:ぅ、まぁあの、お姉さんの・・助けてやろうという気持ちだけは、ありがたいんですけども、わたしは先にお姉さんが、これからあのぅ、5年、10年先に、亡くなられた場合に、主人とわたしだけでは暮らせないなぁと、思って、それを心配して働きに出たいと思ってるんです。
加藤諦:あのまずねぇ。
相談者:はい。
加藤諦:あなた・・が、間違ってるのは。
相談者:はい。
加藤諦:お姉さんが・・
相談者:うん。
加藤諦:弟を助けてやろうっていうのはありがたいっていう、この考え方が、基本的に間違ってるんですよ。
相談者:はあ・・
加藤諦:お姉さんは。
相談者:はい。
加藤諦:弟の、あなたのご主人の為に助けてるんじゃないんですよ。
相談者:ああ・・そうですか?
加藤諦:そりゃそうでしょう。
・・
加藤諦:40年間、なんでずっとやり続けるの?こんなこと?
・・
加藤諦:弟のためを思ったら・・
相談者:うん。
加藤諦:これは許さないですよね、本当に弟の為を思ったら。
相談者:はあ・・はいはい。
加藤諦:そうでしょう?
相談者:はい。
相談者:あの、本当は、わたしは、その方が正解だと思います。
・・
加藤諦:そうでしょう?
相談者:はい。
加藤諦:な、助けてやろうっての、ありがたいっていうのはおかしいじゃん。
相談者:ええ。
加藤諦:お姉さんは。
相談者:うん。
・・
加藤諦:人から必要とされることを、必要としてる人なんですよ。
・・
相談者:うん・・
・・
相談者:はい。
加藤諦:頼られることが、嬉しいわけ。
相談者:ああ、そうですねぇ、はいはい。
・・
加藤諦:頼られることが、お姉さんの生きがいなの。
相談者:ああ・・はい。
相談者:はい。
相談者:それはあると思います、全部、兄弟の学費も出しておられます。
加藤諦:それはあると思いますっていうよりも、それですよ。
相談者:はい、あの・・
相談者:はい。
・・
加藤諦:でぇ・・
相談者:はい。
加藤諦:必要とされることを、必要とする人っていうのは・・
相談者:うん。
加藤諦:相手のことを考えてんじゃないんです。
相談者:ああ、なるほど、はい。
加藤諦:で、それわかるでしょう、あなただって。
相談者:はいわかります、はい。
相談者:ええ、考えてないと思います。
加藤諦:まったく考えてないですよ。
相談者:はい。
加藤諦:お金はいくらでも出します。
相談者:ええ、ええ、ええ。
・・
相談者:はい。
加藤諦:だけど、相手のことは考えていない。
相談者:はい、考えて・・ないと思います。
・・
加藤諦:そうでしょう?
相談者:はい。
加藤諦:そこまであなた、わかってるんだったら。
相談者:うん。
加藤諦:なんで今まで、そんなその・・これ、辞めたほうがいいんじゃないかなぁ・・って言うんですか?
相談者:はい。
相談者:決断、す、すべき時ですね、辞めようって。
・・
・・
加藤諦:辞めようじゃなくて、辞めますです。
・・
・・
相談者:はああ・・
相談者:はい。
加藤諦:あなた・・のね。
相談者:はい。
加藤諦:弱さと。
相談者:うん。
加藤諦:お姉さんの。
相談者:うん。
加藤諦:権力意志と。
相談者:はい。
加藤諦:これで、動かないですよ、この家庭。
相談者:はい・・動かないんです、はい。
加藤諦:ですよねぇ?
相談者:はい。
加藤諦:じゃあ、ここでどう動かしたらいいか。
・・
加藤諦:ねえ。
相談者:はい。
加藤諦:今日はスタジオに。
相談者:はい。
加藤諦:三石メソード主宰で、作家で翻訳家の、三石由起子先生がいらしてるので。
相談者:はい。
加藤諦:いろいろ伺ってみてください。
相談者:はい。
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