コネ入社のお得意先御曹司

45歳の男性の方からの相談。

 

今回の私の悩みというか、イライラというか、多少愚痴になってしまうかもしれませんが、聞いてください。

 

現在私は人事部で、新人教育担当しています。
今年入った6人の新人の中に、困ったヤツが1人いて、泣きたい気持ちです。

 

そいつはお得意の、取引先の息子で、いわゆるコネ入社です。

 

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舐められている

例えば、電話の仕方や、取り方を教えれば、 「メールでやればいいんじゃないですか?」 「電話だと、効率悪くないですか?」

 

コピー機の使い方を説明すれば、「へえー、今時コピーは女性や新人がやるって会社があるんですね?ビックリ!」等々 、いちいち突っかかってきてイライラします。

 

「これは、うちの会社のルールだから、入社したからには従ってもらわないといけないし、社会人とはそういうものだよ。」と、少しきつく言うと、「うわぁ、パワハラって本当にあるんだ。」と言う始末。

 

完全に私がナメられているのでしょうが、これまで5年・・教育担当してきた中で、初めてのケースで、一体どうやって扱っていいのか、ほとほと困っています。

 

ガンと、怒って辞められたりしたら、取引先とどうなるか分からないし、上司からは、「人材不足の中、どんな奴でも大事な戦力なんだ、なんとかしろ、それがお前の役目だろう」と、毎日言われるし、もう頭がおかしくなってしまいそうです。

 

こっちが会社を辞めてやりたいぐらいです。

 

先生どうしたらいいでしょうか?私によきアドバイスお願いします。

 

2017年6月7日放送のSBC信越放送の『らじカン』(毎週月-金 14:05-18:15)の水曜日のコーナー『敬子と佳子の子育て相談』、テレフォン人生相談でお馴染みの、幼児教育研究の大原敬子先生のお悩み相談。

 

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ピンチをチャンスに

大原:あの、人生でね、迷走するってありますよね?

 

迷走してしまって、もう、自分は、目が回っちゃって、なんだか、わからなくなってしまった。

 

そういう場合って、自分の基準が分からなくなると、全てを失くすんですよね。

 

中澤:自分の基準?

 

大原:はい、まずですね、僕は何故・・この、コネ社員の息子ですね・・息子に、これほど拘るかってことなんですね。

 

それをまず、自分が、分析しなくちゃならないんですよ。

 

イライラの原因

例えばですね、書いてあります・・イライラっていう感情は、その場で起きたことではないんですよね。

 

ずっと、家とかいろんなことで、過去から引きずってきたものが、積もり積もった時にイライラするんです。

 

それが、たまたま、瞬間触発する、ある動機があると、それが感情になってムラムラしてくるんですね。

 

だから、この彼は、もっと、コネ息子よりも先に、いろんなことの・・会社の不満とか、家の不満とかあるはずだと思います。

 

で、もうひとつはですね、もうなんていうか、愚痴になるって、書いてある。
愚痴っていうのは何かっていうと、板挟みなんです。

 

つまり、板挟みっていうのは、僕は正しいことを言っているんだけれども、僕の道理が通らなくって、逆に叱責される。
この俺はどうしたらいいだろうか、って、それが今の会社です。

 

つまり彼は、会社に来る間に、空き缶をですね、家とか、奥さんとか、子供とか、いろんなことがありますね、それ引きずって会社まで来ます。

 

で、その時は空き缶の音はガラガラしないんです。
そこに、このコネ息子が来ました。
「君ね・・」って、注意している間に、空き缶が、ガラガラ、ガラガラするんですよ。

 

そうすると、その自分の中に、ガラガラが、どんどん、どんどん迫ってきて、「なんだなんだ?」
俺が怒ってるのも、会社でもやけに目立っちゃう。

 

俺は、このコネ息子を怒っているのに、と思っているけれども、そうではなくって、過去の空き缶を怒っているんです。

 

それ、まずは分かって欲しいですね。

 

で、こうして迷走してしまうと、よくよく考えてみると、プライドが何故・・舐められるってことは、プライドですよね?

 

つまりそこに、彼の劣等感、誰でもあります。

 

コネで来た息子・・息子を見れば、面白くないですよね?

 

でも、取引先の息子・・見方を変えれば、自分の出世になる駒でもあるんですよ。

 

中澤:なるほど。

 

大原:そこを、彼は、間違えているんです。

 

中澤:いずれ、出世の駒として、使えるかもしれない。

 

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いずれいなくなる人

大原:そう、ところが、これだけやってしまった時に・・イライラを・・僕は、この子に社員教育として、教えているんだってことで、自分の感情のイライラを、正当化してるんですね。

 

そうすると、度の怖さです。
今、あなたが、その、ほんとに、あのぅ、コネ息子をね、頭に来るかも、わかりませんけれども、あまりここに執着をすると、社長たちが「君、辞めてもいいんだよ」って言われる可能性があるんですよ。

 

そう彼は、 「僕は、会社のために、この子供のためにも教えているんだ」
コネで入った人は、そこで、ずっといるわけないです。
うちの息子、しばらく、預かって、社会を教えて欲しいってことで、来てるんです、これは。

 

それを、この方は、間違えてるんです。

 

そこまでしなくていいんです。

 

うん、この息子さんは、いずれ・・4〜5年経ったら、会社を辞めて、自分の会社に行くはずです。

 

そういう駒ってことを、あなたがまず、知らなくちゃいけないのよ。
ところが、そこを、ごったにしちゃって、自分の感情、反抗する彼を、誰かの投影です。

 

奥さんか、子供か、なんか・・それを、その、重ね合わせちゃったんです。

 

そこを、上手く切り離して、「あっ、この、コネで入った息子は、今回、これから出世する、駒になるんだ」と、思ったら、あっさりと・・

 

「あ、こういう電話はね、この会社では、これが、ルールなの、覚えておいてね」って、「あとは、君の判断に任せるよ」で、良かったんです。

 

中澤:ああ・・そっか、そっか、そっか、そっか、そっか、そっか。

 

根本:しつこく、突っ込まないで・・ん・・はいはいはいはい。

 

大原:「これはね、この当社の、ま、ルールなんだ」と、「あとは、君に任せるよ」

 

全部、そうしておけば、僕が社員教育している、それ、社長も、この会社の人達も、安心・・「いや、彼は、上手くやっているよ」
「文句、言うとこないのか?」
「いやいや、あの子が、取引先の息子さんで、いるかぎり、取引先の器として、僕は、対応してます」と。
「でも、当社の規則を、教えておきます」と。

 

「なにかあと、不満があったら、言ってください」ということで、彼は・・箱モノの、彼を間違えて、イチ新入社員の、イチ社員として、見てしまったところに、大きな墓穴掘ることがあるんですよね。

 

わたしが、すごく心配なのは、もう、会社としては、いや、ちょっと困るな、一列に、ABCDの、社員とは違うことを、彼は間違えてるということを、会社は、思ってると思いますよ。

 

中澤:そっか・・もっと、賢くならなきゃいけないですね、この方自身が。

 

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処世術

大原:そうなんです、なぜ賢くならないか?
なれるはずだと思います、この方は。

 

なにかのイライラの原因を、反抗する彼を、俺を、馬鹿にしやがってになってるんです。

 

どうぞね、間違いでね、あなたが、馬鹿にしたと怒る相手は、違っていますよって。

 

この・・コネ息子は、あなたにとっては、大事な駒。
駒なんです。

 

根本:その、考え方変えれば、全然、もっとねぇ、仕方も違うし・・

 

大原:そうなんです。

 

根本:気持ちの落ち着きも違うし・・

 

大原:そうです。
それを、彼は、ABCDの社員は、その社員達は、永遠にこの会社に残るから、あなたの言う事は、きくでしょう。

 

でも、コネ息子は、もう、出る人なんです。
それを、みんな聞いてるのに、コイツだけは、俺の言う事をきかない。
舐めてるんだ、この人はって、思っちゃうんです。

 

根本:プライドが、葛藤に出ちゃうんだ。

 

大原:その瞬間に、コネ息子は、僕を馬鹿にする誰かと、重なっちゃったんです。

 

そうするとね。
コネ息子を、イチ社員とみてしまったら、言えますよね。

 

あなたの、腹の中の虫、あたる所を間違えた。

 

さあ、これからですねぇ、何か月か、もう白紙にしちゃうには、少ないですね・・

 

そうしたら、今からはね、少しずつ、手を引いて、「いやぁ、結構、厳しく言ったけれども、さすが、君はねぇ、ああ、凄いよ」って、僕もう、&%$です。

 

僕は、あんなに強く言ったけれども、心の中では、ごめんねって・・でも、君がね、自分の会社に行った時に、大きく、伸びて欲しいために、あえて・・きつく言ったんだけれど、そろそろ二ヵ月・・十分だと思うよ。

 

っていうことで、だんだん、あえて、僕は知っていたけれども、愛のムチをしたってことを、あなたの言葉から、今から、言うべきです。

 

うん、伝えるべきです・・そして、一緒に食事はしなくていいですけども、今の上司たちに、「いやぁ、彼は凄いです」と、僕の愛のムチに耐えてくれました」

 

「素晴らしい、息子さんです」ってことを、褒めるんですね。

 

そうすると、「いやぁ、そうか、君は、知っていて、やったんだ」

 

「いや、僕はね、ヒヤヒヤしたよ、いつね、あの息子がね、辞めますと言った時に、社長に、どう言えばいいか?と思って、心配したんだよ」って言いますよね。

 

「社長に言ってください」と、「あの、息子さんは、立派ですよ」・・思っていなくても、言う。

 

根本:ああ・・それ、処世術ですね。

 

大原:これからもう、ゴマをする。

 

良かった・・ほんとにね、良かったと思います。
一歩間違えたら、あなたは、逆に自分が切られる。

 

中澤:このタイミングで、ほんと先生に相談していただいて、ほんと良かったです。

 

大原:ほんとに、よかった。

 

根本:そうですね、はい、間に合ってるでしょうね、きっとね。

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※聴けない方はコチラ⇒YouTubeからお試しください。

 

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